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1番若いはずなのに、暑さでヘトヘトの初戦
 
さて、僕は8月14日の誕生日で満50歳を迎え、翌日から始まった『ファンケルクラシック』でシニアツアーにデビューすることになりました。
 初日の静岡県・裾野カンツリー倶楽部は折からの熱波に見舞われ、実にハードなコンディション。出場選手中、一番若いのにプレー中、ともすると集中力が抜け落ちてしまうほどの暑さに、すっかりヘトヘトになってしまいました。それでも、一緒にラウンドした室田淳さんは、涼しい顔でボギーなしの6アンダー、66をマーク。単独トップに立つと、2日目を70、最終日も68にまとめて大会連覇を果たしました。
 聞けば室田さんは、この試合が今シーズン17試合目だというのに驚きました。
 考えたのは、プレーヤーの「生涯試合数」は決まっているんじゃないか、ということです。ジュニア時代から試合に出てきた僕は、学生時代は年間20試合ほど、プロになってからはおよそ30試合。それを30年以上にわたって続けてきたわけです。
 が、大学生になってゴルフを始めた室田さんは、そこまでの試合数には達しておらず、精神的、肉体的消耗も少ない。ましてや経験の蓄積がモノをいうゴルフの世界で、室田さんはいま、最高潮の時期を迎えているのかもしれない。そんなことを思ったりしました。
 僕自身はというと、初日を3オーバーと出遅れ、2日目にアンダーパーを出してかろうじて予選を通過。最終日の最終ホールでイーグルが決まり、なんとか17位タイで終えることができ、格好がつきました。シニア初戦ということで気負っていたわけじゃないんですが、まだまだ「若造」ですね(笑)。  ただ、初めてのシニア競技とはいえ、まったく違和感は感じませんでしたね。レギュラーツアーの空気と比べると、しいていえばシニアの方がずっと明るいってところかな。むしろ周りは古くからの顔なじみばかり。なんだか、プロになりたてのころの「月例競技」に出ている感じがしました

 
 
もし僕が15歳でプロの試合で勝っていたら?
 
今年前半の最大の話題といえば、何といっても「ハニカミ王子旋風」でしょう。彗星のように登場した逸材は、ゴルフ界全体で大事に育てていかなければいけないと思います。
 石川遼くんが出場した日本アマチュア選手権の大会を、初めて民放が放映するなど、これまでにない広がりは歓迎すべき現象でした。
 しかし、マスコミを含め、周囲の反応、石川くんの取り上げ方には、大きな問題があると感じます。確かに彼は、ゴルフ界のヒーローに違いありませんが、まだ15歳の少年。大人たちが騒ぎすぎることで変な勘違いをさせたり、また、過大な期待をかけることで、プレーすることに嫌気がさすことになりはしないかと、それが心配なんです。
 石川くんはツアーVを飾ったことで、並はずれた潜在能力を示しました。だけど、それは彼が貴重な<原石>であることの証明にはなっても、何かの目的を達したことにはなりません。僕が同じ年齢のときに、もしプロのトーナメントで勝つようなことがあったとしたら?
  逆にプロにはなっていなかったかもしれないとさえ思います。
  ゴルファーとして目標とするものがあり、アマチュアとしてプレーを続けるつもりだった僕は、大学を卒業した時点で「プロになっても、その道は歩き続けられる」と考えて、プロテストを受けました。自分の考えを自分でまとめられるようになるまで、時間をかけたからこそ、その決断ができたんです。子どものまま優勝したりすれば、そんな道はないと結論を下したかもしれません。
 石川くんには、ゴルフ以外のことにも目を向け、たくさん友だちをつくり、のびのびと自分の将来の道を探してほしい。周りの大人たちは、その選択肢を狭めるようなことだけはしてほしくない、と思っています。


ゴルフ界のヒーロー出現で考えなければいけないこと

  今回から毎号、このページでゴルフ界のニュースや話題、問題点などについて、自分なりの意見を交えて、読者のみなさんと一緒に考えていくことになりました。まずは、よろしくお願いいたします。


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日付:2008年2月5日
 文:松本正志
著書:we're golfers (ウィアー・ゴルファーズ)
 湯原信光のシニアツアー日記